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Cisco Meraki Documentation

カスタム DHCP オプションの設定

このドキュメントは原文を2025年10月01日付けで翻訳したものです。
最新の情報は原文をご確認ください。

概要

DHCP オプションは、IP アドレス、テキストの文字列、または 16 進数のいずれかで表される、意図的に定義されたデータです。このデータは、DHCP クライアントがネットワークと通信する際に使用します。多くの DHCP サービス(MX セキュリティ アプライアンスや MS レイヤ 3 スイッチを含む)が標準で提供するデフォルト オプションを、ほとんどのネットワーク機器は利用します。しかし、VoIP 電話やその他の特定用途の機器で DHCP を実装する際など、追加の DHCP オプションの構成が必要になる場合があります。

本記事の内容:

  • MX セキュリティ アプライアンス、Z シリーズ テレワーカー ゲートウェイ、または MS レイヤ 3 スイッチでの DHCP オプションの構成。
  • 一般的に使用される DHCP オプション。
  • DHCP オプション構成の例。

 

DHCP オプションの構成

  1. セキュリティ & SD-WAN > 設定 >  DHCP へ移動します(MS スイッチの場合は、スイッチ > 設定 > ルーティング & DHCP > 設定対象のインターフェース > DHCP 設定)。
  2. DHCP オプションを追加 を選択します。
  3. 一覧から目的のオプション を選択するか、一覧にない場合はカスタム オプションを追加します。
  4. DHCP のコード を入力します。
  5. タイプ は テキストIP、16進数(Hex) から選択します。
  6. 値 フィールドにそのオプションの値を入力します。
  7. 変更を保存 をクリックします。

 

Meraki ダッシュボードでの DHCP オプション構成

 


一般的に使用される DHCP オプション

DHCP サーバーでは多様な DHCP オプションを構成できます。以下は、より一般的に使用されるいくつかのオプションです。

オプション コード 短縮名 オプションの説明
2 Time Offset このオプションは、クライアントのサブネットが協定世界時(UTC)から何秒オフセットしているかを指定します。
12 Hostname

このオプションは、ノードの完全修飾ドメイン名(FQDN)の「ホスト名」部分を設定するために使用します。

例:「mail.meraki.com」の「mail」。

15 Domain Name

このオプションは、ノードの完全修飾ドメイン名(FQDN)の「ドメイン」部分を運搬するために使用します。

例:「mail.meraki.com」の「meraki.com」。

26 Interface MTU

このオプションは、クライアントがインターフェースに設定すべき MTU を通知します。

42 NTP Servers

このオプションは、ネットワークで使用される NTP サーバーを通知します。

66 TFTP Server

このオプションは、TFTP サーバーの IP アドレスまたはホスト名を通知するために使用します。

 

DHCP オプションとその定義の詳細な一覧は、IANA - BOOTP Vendor Extensions and DHCP options を参照してください。 

注: 一部の DHCP オプション コードはベンダー固有オプションとして予約されています。適切な DHCP コードと機器固有の構成については、ベンダーのドキュメントを参照してください。

MX はカスタム オプション 51(IP アドレスのリース時間)の使用をサポートしていません。ドロップダウンからリース時間を選択する必要があります。

ダッシュボードでカスタム DHCP オプションを構成する際は、コードを 0 で始めないようにしてください。たとえば、DHCP オプション 15 を設定する場合は「015」ではなく「15」を使用します。

 

DHCP オプション構成の例

接続固有の DNS ドメイン サフィックスの設定

接続固有の DNS ドメイン サフィックスは、DHCP オプション 15 を使用して DHCP クライアントに割り当てます。以下はダッシュボードで DHCP オプション 15 を割り当てる手順です。

  1. セキュリティ & SD-WAN > 設定 >  DHCP へ移動します(MS スイッチの場合は、スイッチ > 設定 > ルーティング & DHCP > 設定対象のインターフェース > DHCP 設定)。
  2. DHCP オプションを追加 を選択します。
  3. オプションからカスタム オプションを追加します。
  4. コード に 15 を入力し、タイプ は テキスト を選択し、値 に DNS ドメイン サフィックスを入力します。
  5. 変更を保存 をクリックします。

この例では、meraki.com を DHCP オプション 15 で割り当てます。

ダッシュボードで DHCP オプション 15 を構成

 

Windows クライアントで ipconfig /all を実行すると、サフィックスが割り当てられていることが確認できます。

Windows コマンド ラインの ipconfig /all 出力
 

IP フォン向けの TFTP サーバーの設定

IP フォンを展開する際、構成をダウンロードするために、電話機が自動的に TFTP サーバー/コール マネージャーを検出できるようにするのが望ましい場合があります。電話機がコール マネージャー サーバーと同じブロードキャスト ドメイン内にある場合は、通常は自動的に検出されます。しかし、TFTP/コール マネージャー サーバーが別ネットワークにある場合は、TFTP サーバーを指定する必要がある場合があります。

Cisco

Cisco の要件に基づき、DHCP ブロードキャスト内で、ネットワークに接続されているすべての TFTP サーバーの一覧を電話機が確認できるように、DHCP オプション 150 を有効にする必要がある場合があります。

  1. セキュリティ & SD-WAN > 設定 >  DHCP へ移動します(MS スイッチの場合は、スイッチ > 設定 > ルーティング & DHCP > 設定対象のインターフェース > DHCP 設定)。
  2. DHCP オプションを追加 を選択します。
  3. オプションからカスタム オプションを追加します。
  4. コード に 150 を入力し、タイプ は IP を選択し、値 に TFTP サーバーの IP アドレスを入力します(以下の例を参照)。
  5. 変更を保存 をクリックします。

Meraki ダッシュボードで DHCP オプション 150 を構成

Mitel

この例では、古い Mitel フォンに対し、社内の Mitel サーバーから DHCP 情報を取得すべきであることを通知するために、DHCP オプション 130 を使用します。

  1. セキュリティ & SD-WAN > 設定 >  DHCP へ移動します(MS スイッチの場合は、スイッチ > 設定 > ルーティング & DHCP > 設定対象のインターフェース > DHCP 設定)。
  2. DHCP オプションを追加 を選択します。
  3. オプションからカスタム オプションを追加します。
  4. コード に 130 を入力し、タイプ は テキスト を選択し、値 に MITEL IP PHONE と入力します
  5. 変更を保存 をクリックします。

 

Meraki ダッシュボードで DHCP オプション 130(Mitel)を構成

追加の考慮事項

RFC 2131

RFC 2131 のセクション 3.5 および 4.2.1 で定義されているとおり、DHCP サーバーがクライアントにカスタム DHCP オプションで応答することが求められるのは、次の条件を満たす場合のみです。

  1. クライアントがその DHCP オプションを要求している。
  2. その DHCP オプションが DHCP サーバーで構成されている。

したがって、MX/MS の DHCP サーバーは、クライアントからカスタム オプションの送信が明示的に要求された場合にのみ、そのクライアントへカスタム DHCP オプションを送信します。

ほとんどのケースでは問題になりません。というのも、特定のカスタム オプションを必要とする可能性のある多くのクライアントは、デフォルトで OPTION 55 に要求済みの DHCP オプション群を含めて DHCP DISCOVER を送信するためです。

例:一部の Cisco/Mitel IP フォンは、DHCP オプション 130 と 150 を明示的に要求します。そのため、MX/MS の DHCP サーバーをこれらのクライアントに必要な値で応答するように構成できます。

注意: ほとんどの DHCP サーバーと同様に、MX/MS の DHCP サーバーは MX/MS のサブネットおよび DHCP の DNS サーバー構成に基づいて、IP リースとあわせて以下を自動的に送信します。

  • オプション 1 - サブネット マスク
  • オプション 3 - ルーター
  • オプション 6 - DNS サーバー
  • オプション 51 - IP アドレスのリース時間
  • オプション 53 - DHCP メッセージ タイプ
  • オプション 54 - DHCP サーバー識別子

例:

MacOS クライアントが MX の DHCP サーバーに DHCP リースを要求します。MX の DHCP サーバーにはカスタム オプション一切構成されていません

1. MacOS クライアントが DHCP サーバーに DHCP DISCOVER メッセージ(DHCP オプション付き)を送信します。

DHCP Discover メッセージの Wireshark 出力

2. MX の DHCP サーバーが DHCP OFFER メッセージを送信します。

DHCP Offer メッセージの Wireshark 出力

その後、DHCP REQUEST と ACK を経て DHCP プロセスは完了し、MacOS クライアントはインターネットにアクセスできるようになります。MacOS クライアントは多くの DHCP オプション要求に対する応答を受け取らなかったものの、標準的な DHCP パラメータ(IP、サブネット、ルーター、DNS)を受け取っているため、問題なくインターネットにアクセスできました。

MS390 および Meraki 管理の C9300 におけるサポートされない DHCP オプション

オプション番号 オプション名
0 Pad Option
1 Subnet Mask
3 Router Option
6 Domain Name Server Option
12 Host Name Option
15 Domain Name Option
44 NetBIOS over TCP/IP Name Server Option
46 NetBIOS over TCP/IP Node Type Option
50 Request IP Address
51 IP Address Lease Time
52 Option Overload
53 DHCP Message Type
54 Server Identifier
58 Renewal (T1) Time Value
59 Rebinding (T2) Time Value
61 Client Identifier
82 DHCP Relay
255 End Option

 

 

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