高密度Wi-Fi導入
高密度Wi-Fiは、大規模展開のための設計計画です。この計画では、小規模のスペース内で多数のクライアントがアクセス ポイント(AP)に接続することが予想される場合に、広範囲にわたる接続性をクライアントに提供します。30台を超えるクライアントが1台のAPに接続する場合、その場所は高密度環境に分類できます。高密度環境でのワイヤレス接続を適切にサポートするために、Cisco Merakiアクセス ポイントにはRFスペクトラム モニタリング専用の無線機能が内蔵されています。この専用の無線機能がないアクセス ポイントは、センサーや電波モニタを追加しない限り、独自の方式で日和見的スキャンを実行してRF環境の測定精度を高める必要があり、最適なパフォーマンスが得られない可能性があります。
高密度環境の例としては、複数のフロアからなる大規模なキャンパス、分散する複数のビルディングやオフィス スペース、大規模なイベント スペースなどが挙げられます。これらは、接続するアクセス ポイントおよびデバイスの数から、高密度環境であると言いえます。一段と高密度な例としては、スポーツ競技場、大学の講堂、カジノ、イベント センター、劇場などがあります。
Wi-Fiが普及するにつれデバイスの数も増え、利用される帯域幅も逼迫し続けています。広範囲にわたる接続性に対するニーズの高まりは、ワイヤレス導入にとっての新たな課題となっています。このようなニーズに応えるために、クライアントの密度の増加に応じてアクセス ポイントを増やすことが必ずしも必要になるわけではありません。ワイヤレス接続のニーズは時代とともに変化し、IEEE 802.11ワイヤレスLAN規格は密度の増加に適応するために拡張され続けてきました。最初の拡張は1999年の802.11aおよび802.11b規格の導入で、2013年には802.11ac規格が導入され、現在は新たに802.11ax規格が開発されています。
計画
ごく最近まで、Wi-Fiネットワークの設計プロセスは物理的なサイト調査を中心としてきました。つまり、サイト調査の結果に基づいて、カバレッジを満たす必要最小限のアクセス ポイントの数を決定するという方法です。この方法では、事前定義された最小許容信号強度に照らし合わせて調査結果を評価すれば、設計の成否を判断できます。ただし、この方法はカバレッジの設計には有効ですが、クライアントの台数や機能、そしてクライアント アプリケーションに必要な帯域幅に基づく要件は考慮されていません。
最初に、高密度の設計のための要件を理解することが、設計の成功につながります。ここに示す計画では、設置後に追加でサイトを調査したり、時間の経過に伴い追加のアクセス ポイントを導入したりする必要性を減らすことができます。設計プロセスにおける次の段階に進む前に、以下の詳細を確認することをお勧めします。
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ネットワークで使用する予定のアプリケーションのタイプ
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サポートするテクノロジー(802.11 a/b/g/n/ac)
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サポートするクライアントのタイプ(空間ストリームの数、テクノロジーなど)
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カバーするエリア
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各エリアで予想される同時接続デバイス数
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美観に関する要件(ある場合)
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ケーブル配線に関する制約(ある場合)
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電源に関する制約(最良の条件は、高パフォーマンスのAPをサポートするPoE+対応のインフラストラクチャ)
キャパシティ プランニング
上述の詳細を確認したら、キャパシティ プランニングを以下のフェーズに分けることができます。
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集約アプリケーション スループットの推定
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デバイス スループットの推定
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AP数の推定
高密度のワイヤレス ネットワークを設計する出発点として推奨される方法は、サイトの帯域幅のニーズを基に必要なアクセス ポイント数を計算することです。
集約アプリケーション スループットの推定
通常、重要度の高いアプリケーションが存在し、これが接続のニーズに大きく影響します。そのアプリケーションとネットワーク上での他のアクティビティのスループット要件を理解すると、ユーザ当たりの帯域幅の目標がわかります。このユーザ当たりの帯域幅必要量を使用して、設計上の決定をさらに進めていきます。一般的なアプリケーションのスループット要件は、以下のとおりです。
アプリケーション |
スループット |
Webブラウザ |
500kbps(キロビット) |
VoIP |
16~320kbps |
ビデオ会議 |
1.5Mbps |
ストリーミング - 音声 |
128~320kbps |
ストリーミング - ビデオ |
768kbps |
ストリーミング - HDビデオ |
768kbps~8mbps |
ストリーミング - 4K |
8mbps~20mbps |
注記:いかなる場合も、対象のアプリケーションをテストし、その実際の帯域幅要件を確認することを強くお勧めします。また、WLANでサポートする予定のデバイスの代表サンプルで各アプリケーションを検証することも重要です。さらに、すべてのブラウザとオペレーティング システムが同じような効率で動作するとは限りません。あるアプリケーションが、Windowsノート パソコンのMicrosoft Internet ExplorerまたはFirefoxでは100キロビット/秒(Kbps)で快適に動作するとします。同じアプリケーションをスマートフォンやタブレットの組み込みブラウザやオペレーティング システムで表示すると、ノート パソコンの場合よりも多くの帯域幅を消費することがあります。
接続およびアプリケーションごとに必要な帯域幅のスループットを把握できたら、その数値に基づいて、WLANのカバレッジ エリアで必要な集約帯域幅を求めることができます。教室、ロビー、講堂など、エリアごとに集約帯域幅の要件が異なる可能性があるため、それぞれのエリアでの集約帯域幅を求めることをお勧めします。
ここでは例として、3Mbpsのスループットが必要なHDビデオ ストリーミングをサポートする高帯域Wi-Fiネットワークを設計していきます。講堂の収容可能人数を踏まえると、HDビデオ ストリームを視聴するユーザは最大で600人になる可能性があるとします。集約アプリケーション スループットは、以下の式を使用して計算できます。
(アプリケーション スループット) x (同時ユーザ数) = 集約アプリケーション スループット
3Mbps x 600ユーザ = 1,800Mbps
1.8Gbpsという数値は、ほとんどのインターネット サービス プロバイダが提供している帯域幅を超えています。以降の計算では、ここで推定しているアプリケーションの合計帯域幅を理論上の需要上限値として使用します。
デバイス スループットの推定
Meraki APは最新のテクノロジーに対応しているため、各規格で定義されている最大データ レートをサポートしますが、多くの場合、得られる平均デバイス スループットは、クライアントの性能、AP当たりの同時ユーザ数、サポートされているテクノロジー、帯域幅などの他の要因によって決まります。
クライアントの性能は、スループットに著しい影響を与えます。これは、新しいテクノロジーをサポートするクライアントに比べて、レガシーのレートしかサポートしていないクライアントのスループットが低くなるためです。さらに、クライアントがサポートする帯域も、ある程度はスループットに影響を与える可能性があります。Meraki APのバンド ステアリング機能を有効にすると、デュアル バンドのクライアントを5GHzに誘導できます。
注記:2.4GHzのみをサポートするクライアントは、デュアル バンドのクライアントに比べてスループットが低くなる可能性があります。これは、5GHzに比べて2.4GHzの方がノイズ レベルが高くなり、クライアントが2.4GHzの低いデータ レートでネゴシエーションする可能性があるためです。
状況によっては、各帯域専用のSSIDを使用することも推奨されます。このようにすると、帯域間でのクライアントの分布がより適切に管理され、考えられる互換性の問題が発生する可能性もなくすことができます。
注記:2.4GHz専用のSSIDを使用するオプションは、デフォルトでは無効です。この機能を有効にする場合は、Merakiサポートまでお問い合わせください。
クライアントのスループット要件を評価するには、クライアント デバイスを調査して、そのワイヤレス性能を判断します。ここで重要な点は、サポートされるワイヤレス帯域(2.4GHzまたは5GHz)、サポートされるワイヤレス規格(802.11a/b/g/n/ac)、各デバイスがサポートする空間ストリーム数を特定することです。クライアント デバイスの資料からはサポートされるデータ レートがわからない場合もあるため、ダッシュボードのクライアント詳細ページから簡単に性能を確認できるようになっています。
クライアントの詳細をリストで表示した例
Wi-FiはCSMA/CAベースであり、半二重です。つまり、一度に1台のデバイスのみ通信が可能で、その間、同じAPに接続されている他のデバイスは、チャネルにアクセスする順番を待機します。そのため、同時クライアント数もAPのスループットに影響を与えます。これは、利用可能な周波数帯が、APに接続されているすべてのクライアント間で分割されるためです。Merakiのクライアント バランシング機能はクライアントがエリア内のAP上で均等に分散されるようにしますが、キャパシティ プランニングにあたっては、AP当たりの予想されるクライアント数を把握する必要があります。
注記:体験の質を高めるために、高密度導入では周波数当たり約25台のクライアント、またはAP当たり約50台のクライアントにすることをお勧めします。
802.11n以降では、チャネル ボンディングによりクライアントのスループットが向上しますが、その一方で、チャネル ボンディングの結果、APが利用できるチャネル数が実質的に減ります。利用可能なチャネル数の減少により、比較的大規模な導入では同一チャネル干渉が増加する可能性があります。これは、チャネル再利用が影響を受け、全体的なスループットに悪影響を与えるためです。
注記:高密度環境では一般的に、同一チャネルを使用するアクセス ポイントの数を減らすために、20MHzのチャネル幅が推奨されます。
クライアント デバイスが、最速のデータ レートをサポートするとは限りません。デバイス ベンダーごとに、802.11ac規格の実装は異なります。ほとんどのスマートフォンやタブレットでは、バッテリ寿命を延ばし、サイズを小さくするために、Wi-Fiアンテナが1本(最も一般的)または2本(ほとんどの新しいデバイス)だけ内蔵されることが多くなっています。この設計では、規格でサポートされるストリーム数よりも少なくなるため、モバイル デバイスでの通信速度が低下します。以下の表は、1つのストリーム(433Mbps)、2つのストリーム(866Mbps)、3つのストリーム(1300Mbps)の場合の最大データ レートを示しています。市場には現在、チャネル幅160MHzで4つの空間ストリームをサポートするデバイスはありませんが、802.11ac規格に含まれるオプションの「Wave 2」機能を搭載したデバイスが発表されることがよくあります。
ストリーム |
20MHzチャネル幅 |
40MHzチャネル幅 |
80MHzチャネル幅 |
1ストリーム |
87Mbps |
200Mbps |
433Mbps |
2ストリーム |
173Mbps |
400Mbps |
866Mbps |
3ストリーム |
289Mbps |
600Mbps |
1,300Mbps |
エンド ユーザにとって重要なのは、デバイスの実際のスループットですが、これはデータ レートとは異なります。データ レートとは、データ パケットが媒体上で伝搬されるレートを表します。パケットには、パケットの宛先の指定とパケットの制御に必要な一定量のオーバーヘッドが含まれています。実際のスループットは、このオーバーヘッドを除いたペイロード データの量です。公表されているデータ レートに基づいて、次にクライアント デバイスのワイヤレス スループット性能を推定します。一般に、デバイスの実際のスループットは、その製造元によって公表されているデータ レートの約半分であると推定されます。これに従って、この値を20MHzチャネル幅でのデータ レートにまで減らす必要もあります。以下に、最も一般的なデータ レートとデバイスの推定スループット(公表されているレートの半分)を示します。複数の要因がパフォーマンスに影響することを考慮し、さらに30%スループットを減らすことをお勧めします。
プロトコル |
データ レート(Mbps) |
推定スループット(公称レートの1/2) |
オーバーヘッドを反映したスループット |
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802.11aまたは802.11g |
54Mbps |
27Mbps |
約19Mbps |
1ストリーム 802.11n |
72Mbps |
36Mbps |
約25Mbps |
2ストリーム 802.11n |
144Mbps |
72Mbps |
約50Mbps |
3ストリーム 802.11n |
216Mbps |
108Mbps |
約76Mbps |
1ストリーム 802.11ac |
87Mbps |
44Mbps |
約31Mbps |
2ストリーム 802.11ac |
173Mbps |
87Mbps |
約61Mbps |
3ストリーム 802.11ac |
289Mbps |
144Mbps |
約101Mbps |
AP数の推定
要件や前提条件を文書化して検討し、それらが妥当であることを確認する必要があります。前提条件を1つ変更すると、アクセス ポイントの台数やコストが大幅に変化します。HDビデオ チャットに(Microsoft SkypeおよびCisco Sparkで推奨している)1.5Mbpsが必要という前提であれば、必要なアクセス ポイントの数は半分になります。一方、HDビデオ ストリーミングに(Netflixで推奨している)5Mbpsが必要という前提であれば、必要となるアクセス ポイントの数は増えます。ストリーム数3のノート パソコン600台ではなく、ストリーム数1のデバイス600台をサポートする設計の場合は、必要なアクセス ポイントの数はおおよそ3倍になります。この例の要件と前提条件は以下のとおりです。
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HD品質のビデオの場合、ビデオ ストリーミングに3Mbpsが必要
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ビデオをノート パソコンにストリーミングする同時ユーザ数は600
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すべてのユーザがApple MacBook Proまたは同等のデバイスを使用
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すべてのノート パソコンで802.11acをサポートし、3つの空間ストリームに対応
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20MHzチャネルを使用するようにネットワークを設定
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各アクセス ポイントが最大101Mbpsのワイヤレス スループットを提供可能
これで、アプリケーションのキャパシティに対応するために必要なAPの台数を概算できます。算出された値は、最も近い整数に四捨五入します。
スループットに基づくアクセス ポイント数 = (集約アプリケーション スループット) / (デバイス スループット)
スループットに基づくアクセス ポイント数 = 1800Mbps/101Mbps = 約18 AP
スループットに基づくアクセス ポイント数に加えて、クライアント数に基づくAP数を計算することも重要です。AP数を求めるには、最初に帯域当たりのクライアント数を概算します。新しいテクノロジーにより、デュアル バンド動作に対応するデバイスが増えています。よって、上述のような独自の実装を使用することで、デバイスを5GHzに誘導できます。
注記:一般的な設計計画では、2.4GHzと5GHzを30:70の割合で分けます。
この例の要件と前提条件は以下のとおりです。
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ビデオをノート パソコンにストリーミングする同時ユーザ数は600
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2.4GHzを同時に使用するクライアント数 = 600 x 0.3 = 180
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5GHzを同時に使用するクライアント数 = 600 x 0.7 = 420
これで、クライアント数に対応するために必要なAPの台数を概算できます。算出された値は、最も近い整数に四捨五入します。
クライアント数に基づくアクセス ポイント数 = (5GHzを同時に使用するクライアント数)/25
クライアント数に基づくアクセス ポイント数 = 420/25 = 約17 AP
これで、算出した2つのAPの数のうち、大きい方を使用して、必要なAPの数を計算できます。
アクセス ポイントの数 = Max (スループットに基づくアクセス ポイント数, クライアント数に基づくアクセス ポイント数)
アクセス ポイントの数 = Max (18,17) = 18 AP
サイト調査と設計
アクティブなワイヤレス サイト調査の実施は、高密度ワイヤレス ネットワークの導入を成功させるために不可欠であり、実際の物理環境におけるRFの伝搬を評価するのに役立ちます。アクティブなワイヤレス サイト調査では、頻繁にデータを送信することで、データ送信範囲とデータ レート カバレッジを把握できます。
実際の環境でRF伝搬を確認するだけでなく、サイト調査の一環としてスペクトラム解析を行うことも推奨します。潜在的なRF干渉源を特定して、修正できるようにするためです。サイト調査とスペクトラム解析は通常、Ekahau Site SurveyやFluke Networks Airmagnetなどの専門的なツールキットを使用して行います。必要なカバレッジ エリア全体でSNRが最小で25dBになるようにしてください。カバレッジ ホールやカバレッジ ギャップが生じないように、必ず、2.4GHzチャネルだけではなく5GHzチャネルでもカバレッジが適切であるかを調査してください。スペースの広さや、導入するアクセス ポイントの数によっては、すべてのアクセス ポイント間での過剰な同一チャネル干渉が発生しないように、選択的に一部のアクセス ポイントで2.4GHzの帯域を一部オフにしなければならない場合もあります。
注記:どちらの帯域についても、全体的なカバレッジを確保することをお勧めします。
注記:RFサイト調査の詳細については、MRアクセス ポイントを使用したサイト調査の実施に関するCisco Merakiのガイドを参照してください。
アクセス ポイントの設置
Cisco Merakiアクセス ポイントの主な設置方法には、天井取り付けと壁面取り付けの2種類があります。どちらの方法にも利点があります。
天井に取り付けられたMR(Ciscoのサンフランシスコ オフィス)
天井取り付けでは、天井のタイル、Tバー、天井、または天井から下に延びるコンジットにアクセス ポイントを配置します。この方法の利点として、下方のユーザ デバイスまで良好な見通し線が得られる、アクセス ポイントの配置場所を柔軟に選べるなどが挙げられます。アクセス ポイントを廊下の交差部や碁盤の目状に配置すると、等間隔にするのが簡単です。一方、欠点としては、天井の高さとアクセス ポイントの高さがカバレッジとキャパシティに悪影響を及ぼす場合があることが挙げられます。
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高さ約3メートル(8フィート)未満の位置にアクセス ポイントを設置する必要がある場合は、オムニ アンテナ内蔵の屋内アクセス ポイントまたは外付けダイポール オムニ アンテナ搭載の屋内アクセス ポイントをお勧めします。
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高さ3~8メートル(8~25フィート)の位置にアクセス ポイントを設置する必要がある場合は、外付けダウンチルト オムニ アンテナ搭載の屋内アクセス ポイントをお勧めします。
壁面に取り付けられたMR(Ciscoのサンフランシスコ オフィス)
天井が高すぎる場合(25フィート超)や、(堅い天井で)アクセス ポイントの設置が不可能な場合は、壁面取り付けをお勧めします。アクセス ポイントは、設置環境の外壁や内壁の乾式壁、コンクリート、または金属部分に設置します。 アクセス ポイントは通常、床から3~5メートル(10~15フィート)の高さで、壁を背にして設置します。床に立っている状態でLEDが見えるよう、LEDを下に向けて設置してください。壁面取り付けの全方向性APを使用するネットワークの設計は慎重に行い、指向性アンテナが使用できないときにのみ実施してください。
セクター アンテナを搭載し、ポールに取り付けられたMR66(Ciscoのサンフランシスコ オフィス)
指向性アンテナ
高さ8メートル(26フィート)未満の位置にアクセス ポイントを設置できない場合、天井がない屋外に設置する場合、または指向性カバレッジが必要な場合は、指向性アンテナを使用することをお勧めします。指向性アンテナを選択する際は、アンテナの水平/垂直ビーム幅とゲインを比較する必要があります。
天井に取り付けたアクセス ポイントで指向性アンテナを使用する場合は、アンテナが真下を向くようにします。壁に取り付けたアクセス ポイントで指向性アンテナを使用する場合は、地面に対してアンテナに角度を持たせます。壁に取り付けたアンテナをさらに傾けて真下に向けると、アンテナの受信範囲が制限されます。
以下のように、Cisco Merakiでは、屋内用の6タイプの外付けアンテナ(MR42EおよびMR53Eで使用可能)を提供しています。
注記:C/D/E/FシリーズのMerakiアンテナはスマートで、Meraki APに接続されると自動検出され、ダッシュボードでの追加の設定は不要です。
Cisco Merakiでは、4タイプの屋外外付けアンテナを提供しており、5タイプの屋外アンテナをサポートしています。以下のアンテナは、Meraki MR84、MR74、MR72、MR66、MR62アクセス ポイントで使用可能なアンテナとして認定されています。なお、AIR-ANT2514-P4Mは、MR84でのみ使用可能です。
ゲインが11dBi(2.4GHzの場合)または13dBi(5GHzの場合)より大きいサード パーティ製アンテナを使用すると、一部の国では規制に違反する可能性があります。 Merakiでは、Merakiアンテナのみを認定しています。
アクセス ポイントの配置
アクセス ポイントの数を確定した後は、APを物理的に配置できます。サイト調査を実施して、すべてのエリアで適切な信号カバレッジが確保されるようにしてください。サイト調査は、APが適切な間隔でフロアプランに配置され、同一チャネル干渉が最小限で、セルが適切にオーバーラップするようにするためにも必要です。また、RF環境と、APの配置で使用する建設資材についても十分検討する必要があります。
Cisco Merakiのサンフランシスコ オフィスにおける、以下の設計を確認してください。4階は、Ciscoのセールス チーム、お客様へのブリーフィングおよびカフェ用のフロアです。それとは対照的に、3階はCiscoの24時間年中無休のテクニカル サポート、小規模なIT部門、Ciscoのコラボレーション グループが使用するため、TelepresenceやCisco Spark HDビデオチャットなどのアプリケーションが使用されています。3階の密度は4階の2倍です。
30台のアクセス ポイントが配置された高密度の4階(Ciscoのサンフランシスコ オフィス)
60台のアクセス ポイントが配置された超高密度の3階(Ciscoのサンフランシスコ オフィス)
SSIDの設定
SSID、IP割り当て、電波設定、トラフィック シェーピング ルールを設定する際のベスト プラクティスに従って、このセクションで説明する変更を行うと、全体的なスループットが飛躍的に向上します。
SSIDの数
推奨されるSSIDの最大数は3です。高密度環境では、この推奨事項が要件となります。必要に応じて、SSIDの数を5まで増やすことができますが、本当に必要な場合にのみ増やしてください。 5つを超えるSSIDを使用すると、管理フレームによる通信時間へのオーバーヘッドが大きくなります。つまり、使用可能な帯域幅の20%以上が消費され、最大スループットが計画キャパシティの80%未満に制限されることになります。必要となる認証タイプ(スプラッシュ、PSK、EAP)ごとに別個のSSIDを作成し、同じタイプの認証を使用するすべてのSSIDを統合してください。
複数のSSIDを追加すると、キャパシティとパフォーマンスに悪影響が及びます。詳細については、「マルチSSIDの導入に関する考慮事項」の記事を参照してください。
ブリッジ モードの有効化
Voice over IPクライアントのローミングをシームレスなレイヤー2ローミングによって改善するには、ブリッジ モードをお勧めします。ブリッジ モードでは、Meraki APがブリッジとして機能するため、ワイヤレス クライアントがアップストリームのDHCPサーバからIPアドレスを取得できます。ブリッジ モードはほとんどの状況で有効に機能し、高速移行でシームレスなローミングを実現します。ブリッジ モードを使用する場合、デバイスがアクセス ポイント間をシームレスにローミングできるように、目的のエリアにあるすべてのAP(通常はフロアまたはRFプロファイルの一連のAP)が同じVLANをサポートする必要があります。
ブリッジ モードでシームレスにローミングするには、フロア プラン全体で単一のワイヤレスVLANを使用するように有線ネットワークを設計する必要があります。ネットワークで異なるサブネット間をユーザがローミングする必要がある場合は、L3ローミングの使用をお勧めします。2つのサブネットまたはVLAN間でローミングする場合、ブリッジ モードではDHCP要求が必要です。DHCP要求の間、リアルタイム ビデオや音声通話では、著しいドロップや一時停止が発生するため、ユーザ エクスペリエンスが低下します。
Voice over IPにはNATモードは推奨されません。 NATモードを有効にすると、ローミングのたびにデバイスが新しいDHCP IPアドレスを要求します。 NATモードでAP間を移動すると、AP間の移動時に接続が切断されます。VoIP、VPN、メディア ストリームなど、連続的なトラフィック ストリームを必要とするアプリケーションは、AP間でのローミング時に中断されます。
レイヤー3ローミング
複数のVLAN間でのローミングを必要とする大規模なワイヤレス ネットワークでは、モバイル クライアントによるローミング時にアプリケーションやセッションを持続できるよう、レイヤー3ローミングが必要になる場合があります。レイヤー3ローミングを有効にすると、クライアント デバイスは異なるVLAN/サブネット上の複数のAP間をローミングしても、一貫したIPアドレスとサブネット スコープを維持できます。
Cisco Merakiのレイヤー3ローミングはコントローラやコンセントレーターを使用せずにアクセス ポイント間の接続を確立できる、分散型のスケーラブルな機能です。デバイスが最初に接続するアクセス ポイントがアンカー アクセス ポイントになります。アンカー アクセス ポイントは、自身が特定のクライアントのアンカーであることを、ネットワーク内にある他のすべてのCisco Merakiアクセス ポイントに通知します。以降のローミングでは、デバイス/ユーザはアンカーAPによって定義されたVLAN上の別のアクセス ポイントにローミングされます。この仕組みは、レイヤー3ローミングが必要となる高密度環境には理想的であり、ネットワークに課せられるスループットの制限はありません。
MRで引き続きコンセントレーターへのレイヤー3ローミングをサポートする場合は、MXセキュリティ アプライアンスまたはVMコンセントレーターがモビリティ コンセントレーターとして機能する必要があります。クライアントはコンセントレーター上で、指定したVLANにトンネリングされ、そのVLAN上のデータ トラフィックはすべてMRからMXにルーティングされます。コンセントレーターはチョーク ポイントを作り出すため、高密度環境ではMXコンセントレーターのスループットによってクライアントの台数が制限される場合があります。
電波設定と自動RF
Cisco Merakiアクセス ポイントは第3の専用無線を搭載しており、周囲のRF環境を継続的に自動でモニタリングし、最も高密度の配置であってもWi-Fiのパフォーマンスを最大化します。チャネル使用状況、信号強度、スループット、Meraki以外のAPからの信号、Wi-Fi以外の干渉を測定することで、無線送信電力と各APで選択された動作チャネルを自動的に最適化し、システム全体のキャパシティを最大化します。
なお、ワイヤレス ネットワークを効率良く調整して、パフォーマンス要件に対応するために、RFプロファイルを使用することをお勧めします。一連の固有のRF設定が必要なエリアごとに、個別のRFプロファイルを作成する必要があります。以下の詳細をRFプロファイルに設定できます。
帯域の選択
クライアント デバイスで2.4GHzを使用する必要がある場合は、Dual-band with band steering(バンドステアリング付きデュアルバンド動作)を有効化して、クライアント デバイスで2.4GHzおよび5GHzのチャネルの両方を使用できるようにします。これにより、5GHz帯域を使用するようにデバイスが誘導されます。詳細については、バンド ステアリングの概要の記事を参照してください。デュアルバンドのネットワークでは、クライアント デバイスはネットワークによって誘導されます。2.4GHzのサポートが不要な場合は、「5 GHz band only(5GHz帯のみ)」を使用することをお勧めします。環境内のあらゆるエリアでテストを実施し、カバレッジ ホールがないことを確認してください。
最小ビットレートの設定
RFプロファイルを使用すると、帯域またはSSIDごとに最小ビットレートを設定できます。高密度ネットワークの場合、帯域ごとの最小ビットレートを使用することをお勧めします。ワイヤレス ネットワークでレガシーの802.11bデバイスをサポートする必要がある場合は、2.4GHzの最小ビットレートとして11Mbpsをお勧めします。ビットレートを調整すると、ワイヤレス ネットワーク上のオーバーヘッドを減らし、ローミングのパフォーマンスを上げることができます。この値を増やすには、適切なカバレッジとRFの計画が必要です。管理者は、最小ビットレートを無効にすることで、2.4GHzおよび5GHz帯域でのクライアントのパフォーマンスを改善できます。管理フレームは、選択された最小レートで送信されます。クライアントは、選択された最小レートまたはそれよりも高速なレートを使用する必要があります。最小ビットレートとして12Mbps以上を選択すると、802.11bクライアントが参加できなくなり、それよりも高いビットレートでブロードキャスト フレームを送信することで、RF環境の効率性は高まります。
注記:規格により、6Mbps、12Mbpsおよび24Mbpsは必須のデータ レートです。Ciscoのサンフランシスコ オフィスでは、最小ビットレートを18Mbpsに設定しています。
自動パワー低減
アクセス ポイントの無線では、隣接アクセス ポイントの信号/ノイズ比(SNR)を毎秒サンプリングします。SNRの測定値がネイバー レポートにまとめられ、Merakiクラウドに送信されて処理されます。各APから送信されてきたネイバー レポートをMerakiクラウドが集約します。Merakiクラウドは、集約したデータを利用して、各APに直接隣接するネイバーを特定し、カバレッジ セルを最適化するために各APの無線送信電力をどれだけ調整する必要があるかを判断します。エリア内の各APにつき最低3台のネイバーが受信できるようにして、送信電力の変更が決定されます。この計算は20分ごとに行われ、計算が完了すると、クラウドから各APに送信電力の増減幅が指示されます。1回の反復当たり、送信電力の低減幅は1~3dBで、増加幅は1dBです。
AutoRFがネットワーク内のすべてのAPに対する送信電力を一律に低減しようとしますが、複雑な高密度ネットワークでは、APが使用する範囲と値を制限する必要があります。より適切に複雑な環境に対応するために、RFプロファイルで最小および最大送信電力設定を指定できます。
注記:2.4GHzの場合、自動パワー低減アルゴリズムで、送信電力を5dBmまで低減できます。 5GHzの場合、自動パワー低減アルゴリズムで、送信電力を8dBmまで低減できます。 これよりも送信電力を低減する必要がある場合は、APをスタティックに設定して電力を低減できます。
自動チャネル選択
同じチャネルにカバレッジがオーバーラップするアクセス ポイントを追加しても、キャパシティは増加しません。近くのアクセス ポイントが同じチャネルを共有することがないように、Cisco Merakiアクセス ポイントは自動的に無線チャネルを調整してRF干渉(802.11と非802.11の両方)を回避し、ワイヤレス ネットワークのチャネル計画を立てます。チャネルを選択的に割り当てて、それぞれのRFプロファイルで使用できます。選択的にチャネルを使用することで、ネットワーク管理者は同一チャネル干渉を一段と効果的に制御できます。
デフォルトのチャネル幅
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40Mhzチャネルまたは80Mhzチャネルに移行すると、チャネル ボンディングによりチャネル幅が2倍または4倍になることから、オーバーラップしていない5GHzチャネルの数が実質的に半分(40MHzを選択した場合)または1/4(80MHzの場合)に減ります。したがって、同一チャネル干渉(CCI)と隣接チャネル干渉(ACI)を最小限に保つためには、アクセス ポイントの配置間隔を広げなければなりません。
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全体的なスループットを向上させる上で40MHzまたは80MHzチャネルは優れた方法のように見えますが、空間効率が低減するという欠点があります。レガシー(20MHzのみ)クライアントが40MHzと80MHzのチャネルを利用できず、これらのチャネル周波数帯がアイドル状態になるためです。RF環境によっては、40および80MHzに対応するクライアントであっても、20MHzの基本チャネルしか使用できない可能性があるため、これらのクライアントの多くは、極めて競合が多いRF環境で使用されています。
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高密度展開で一般に見られるクライアントの混在(ノート パソコン、スマートフォン、タブレットなど)環境では、各クライアントの性能も異なります(20Mhz、40Mhz、または80Mhzをサポートするクライアントが混在しています)。こうした理由を踏まえた最善策は、全クライアントが対応できる最小のチャネル幅を選び、すべてのクライアントがネットワークに平等にアクセスできる状態にすることです。1台のアクセス ポイントから性能の異なる4台のクライアントに80MHzで通信させてアイドル状態を生じさせるよりも、4台のアクセス ポイントから4台のクライアントに20MHzで通信させる方が賢明だと言えます。
DFSチャネルとチャネル再利用
DFSチャネルが有効で、チャネル再利用が不要な導入例として、以下の図では、チャネル再利用を行わない12台のアクセス ポイントを示しています。米国で利用できるのは19チャネルであるため、同じスペースで20台のアクセス ポイントを使用する場合は1チャネルを再利用する必要があります。
DFSチャネルが無効で、チャネル再利用が必要な導入例として、以下の図では、同じスペースで4つのチャネルが再利用されています。チャネル再利用を回避できない場合のベスト プラクティス、同じチャネルを使用するアクセス ポイント間の距離をできるだけ広げることです。
RX-SOP
802.11帯域 |
高しきい値 |
中しきい値 |
低しきい値 |
5GHz |
-76dBm |
-78dBm |
-80dBm |
2.4GHz |
-79dBm |
-82dBm |
-85dBm |
注記:RX-SOPは、Meraki 802.11 ac Wave 2アクセス ポイント(MR30H/33/42/42E52/3/53E/74/84)でのみ利用可能です。
クライアント バランシング
高密度でのローミング
アクセス ポイント間におけるクライアントのローミング
高速ローミングの有効化
Cisco Meraki MRアクセス ポイントは、幅広い高速ローミング テクノロジーをサポートしています。 高密度ネットワークではローミングの発生頻度が高まるため、アクセス ポイント間のローミングを高速化してアプリケーションの遅延を短縮することが重要になります。802.11rを除いて、以下の機能はすべてデフォルトで有効化されています。
- 802.11r(高速BSS移行) - 802.11rを使用すると、暗号化キーをネットワーク内のすべてのAP上に格納できます。これにより、クライアントはネットワーク内の新しいアクセス ポイントにローミングするたびにRADUISサーバに対して再認証プロセス全体を繰り返す必要がなくなります。この機能は、Configure(設定) > Access control(アクセス制御)ページのNetwork access(ネットワークアクセス) > 802.11r(802.11r)で有効化できます。このオプションが表示されない場合は、ファームウェアの更新が必要な可能性があります。
- Opportunistic Key Caching(OKC) - 802.11rとOKCはどちらもクライアントのローミング時間を短縮する目的で使用できますが、主な違いは、802.11rは標準規格であり、OKCは独自規格という点です。これらのプロトコルに対するクライアントのサポート状況はさまざまですが、一般的には、ほとんどの携帯電話で802.11rとOKCの両方がサポートされています。
- 802.11i(PMKIDキャッシング) - IEEE 802.11iで定義されているPMKキャッシングは、RADIUS交換の発生を防ぐことで802.1Xでのローミング パフォーマンスを向上させます。大まかに言うと、RADUIS交換は、PMKIDが格納されているAPにクライアントがPMKIDを送信すると発生します。PMKIDが一致すれば、そのクライアントは以前に802.1X認証に成功したことを確認できるため、APはRADUIS交換をスキップできます。
- 802.11k(ネイバーBSS) -802.11kは、次回のローミング先APとローミング方法をクライアントが迅速に判断できるようにすることで、ローミングにかかる時間を短縮します。クライアントが現在接続しているAPが、隣接するAPとそのチャネルに関する情報をクライアントに提供します。
トラフィック シェーピング
帯域幅制限の設定
すべてのネットワーク トラフィックに対してクライアント当たりの帯域幅制限を適用することを検討してください。音声やビデオなどのアプリケーションを優先する場合、他のすべてのアプリケーションを制限すれば、優先効果が高まります。詳細については、Configuring Bandwidth Limitations and Enabling Speed Burst on Wireless Networksの記事を参照してください。高密度環境におけるクライアント当たりの帯域幅制限としては、5Mbpsをお勧めします。この制限は、特定のデバイスやアプリケーションに対して変更できます。
注記:トラフィックが有線インフラストラクチャにブリッジされるため、この制限はクライアントのワイヤレス データ レートではなく、実際の帯域幅を制限します。
- Wireless(ワイヤレス) > Configure(設定) > Firewall & traffic shaping(ファイアウォールとトラフィックシェーピング)に移動し、画面上部のSSID(SSID)ドロップダウン メニューでSSIDを選択します。
- Per-client bandwidth limit(クライアントごとの帯域幅の制限)を5Mbpsに設定し、SpeedBurstを有効にします。これは、すべての非音声アプリケーション トラフィックに適用されます。 このガイドのこのステップはオプションです。
- Per-SSID bandwidth limit(SSIDごとの帯域幅制限)を無制限に設定します。
SpeedBurstによって、割り当てられた帯域幅制限の4倍のバーストが5秒間可能になります。
トラフィック シェーピング ルールの定義
トラフィック シェーピングを使用して、アプリケーション トラフィックに必要な帯域幅を提供します。「キャパシティ プランニング」のセクションで推定した十分な帯域幅を、アプリケーションが使用できるようにする必要があります。トラフィック シェーピング ルールを実装すれば、リアルタイムの音声およびビデオ トラフィックが追加の帯域幅を使用できるようになり、実装したルールを使用して、P2Pやソーシャル ネットワークなどのトラフィックをブロックまたは制限できます。
- Wireless(ワイヤレス) > Configure(設定) > Firewall & traffic shaping(ファイアウォールとトラフィックシェーピング)に移動し、画面上部のSSID(SSID)ドロップダウン メニューでSSIDを選択します。
- Shape traffic(トラフィック シェーピング)の横にあるドロップダウンをクリックし、Shape traffic on this SSID(このSSIDのトラフィックをシェーピングする)を選択して、Create a new rule(新しいルールを作成)をクリックします。
- Add +(追加 +)をクリックし、All voice & video conferencing(すべてのVoIPとビデオ会議)を選択します。
- 「Per-client bandwidth limit(クライアントごとの帯域幅の制限)」をIgnore SSID per-client limit (unlimited)(SSIDのクライアント毎制限を無視)に設定し、「Save changes(変更を保存)」をクリックします。
マルチキャストからユニキャストへの変換
Cisco Meraki APでは、IGMPプロトコルを使用して自動的にマルチキャスト パケットからユニキャスト パケットへの変換を行います。変換後のユニキャスト フレームは、必要最小限のデータ レートではなく、ネゴシエーションされたデータ レートで送信されるため、多数のクライアントに高品質のビデオが送信されます。複数の学生が授業の一環として教室で高解像度ビデオを視聴するなどの状況では、この機能がとりわけ役立ちます。