信号/ノイズ比(SNR)とワイヤレス信号強度
概要
ワイヤレス環境のパフォーマンスを最大限に高めるには、ワイヤレス デバイスが受信信号をリッスンすべき正当な情報として区別し、周波数帯のバックグラウンド信号をすべて無視できることが重要です。 信号/ノイズ比(SNR)という概念は、ワイヤレス機能の高さを表します。 SNRとは、受信したワイヤレス信号とノイズ フロアの差を意味します。 ノイズ フロアとは単に、信号を認識できないほど遠くにある他のデバイスか、または同じ周波数で偶然に干渉を起こしているデバイスから発せられる、エラー性のバックグラウンド伝送を意味します。
たとえば、クライアント デバイスの無線が-75dBmで信号を受信し、ノイズ フロアが-90dBmの場合、有効なSNRは15dBです。 したがって、このワイヤレス接続の信号強度は15dBとなります。
受信信号とノイズ フロアの差が大きいほど、信号品質は高くなります。 ノイズ フロアに近い信号はデータの破損が起こりやすく、破損した場合は送信側と受信側の間で再伝送が行われます。信号の再伝送はワイヤレス環境の通信時間を取るため、これによりワイヤレス スループットが低下し、遅延が長くなります。
Cisco Merakiアクセス ポイントでは、SNRをワイヤレス接続品質の指標としています。 これにより、RF環境と周囲のノイズ レベルが考慮されるため、ワイヤレス信号の正常性をより正確に表すことができます。たとえば、-65dBmの受信信号は、ノイズ フロアが-90dBm(SNRが25dB)の場所では良いと見なされますが、ノイズ フロアが-80dBm(SNRが15dB)の場所ではそれほど良くないと見なされます。
一般に、データ ネットワークではSNR値が20dB以上の信号が推奨され、音声アプリケーションを使用するネットワークでは25dB以上のSNR値が推奨されます。詳細については、信号/ノイズ比を参照してください。
クライアントの信号/ノイズ比を確認する
Cisco MerakiダッシュボードでSNRを確認する
Merakiアクセス ポイントに接続されているワイヤレス クライアントのSNR値はすべてダッシュボードに表示されます。 この情報を確認するには、Network-wide(ネットワーク全体) > Clients(クライアント)に移動します。 次に、ワイヤレス クライアントを選択すると、その特定のデバイスの接続に関する詳細情報が表示されます。 以下に、クライアントの接続先のアクセス ポイント、使用するワイヤレス チャネル、信号強度(SNR)に関する補足情報を示します。
接続先APのSNRを確認する
クライアント デバイスでSNRを直接確認するには、そのデバイス上でWebブラウザを開き、ap.meraki.comまたはmy.meraki.comに移動します。 クライアント デバイスが現在接続しているアクセス ポイントのローカル ステータス ページが表示されます。ここには、そのクライアント デバイスのワイヤレス接続に関するさまざまな詳細情報(クライアントとAP間の信号強度など)が表示されます。
ラップトップに搭載されている標準的なWLANカードは、周囲のノイズ フロアを測定するように設計されておらず、Wi-Spy dBxなどの特殊アダプタが必要となります。前述のように、Cisco Merakiアクセス ポイントは、SNRを使用して特定のクライアントの信号強度を測定します。Metageek inSSIDerなどのツールを使用すると、クライアントの受信信号強度を確認でき、それにより、受信信号値からSNR値を差し引いて、特定の場所のノイズ フロアを計算できます。
ワイヤレスおよびワイヤレス信号関連の詳細については、以下の記事を参照してください。