クラウドモニタリングの概要とよくある質問
このドキュメントは英語版を 2022 年 7 月 14 日付けで翻訳したものです。
最新の情報は英語版を参照してください。
クラウドモニタリングとは
クラウドモニタリングとは Cisco Catalyst 9000 シリーズのスイッチを Meraki ダッシュボードに統合し Meraki 機器とシームレスにモニタリングが可能になる機能です。
クラウドモニタリングにより Catalyst スイッチの統計や設定データの確認やトラブルシューティングを実施することができます。クラウドモニタリングに登録された Catalyst スイッチは Meraki スイッチと区別するためにダッシュボード上で自動的に "Monitor Only" というタグが付与されます。この違いを除けば、"Monitor Only" Catalyst スイッチはダッシュボード上では Meraki MS スイッチと非常に似た表示と機能を持ち、接続ポートやトラフィック情報を視覚的に表示することができます。
ライブトラブルシューティングツールも利用でき、事象特定や解決に活用できます。
なお、クラウドモニタリングは、スイッチ設定に関する他の管理ソリューション(DNAセンター等)に取って代わるものではありません。クラウドモニタリングは監視機能のため、ほとんどの操作は読み取り専用です。また、全てのライブトラブルシューティング機能は、トラブルシューティングを実施することによって設定が永続的に変更することはありません。
一般的に、クラウド監視のために Meraki ダッシュボードに接続された Catalyst スイッチは、MS スイッチに提供されるものと同様のインターフェイスを提供します。しかし、一部操作は MS スイッチと異なります。
サマリータブ
スイッチポートおよびクライアントの使用情報は、"サマリー"タブで確認できます。左側には Catalyst のシリアルナンバーが表示されます。Meraki のシリアル番号は Meraki ダッシュボードの外やハードウェア自体に表示されることはありません。
実行中のIOS-XEのバージョンは、左側の「ファームウェア」に表示されます。現在サポートされているバージョンは、17.3.x~17.7.xです。推奨バージョン情報はこちらをご参照ください。
注: DNA Essentials ライセンスの場合
DNS Essentials ライセンスでご利用中の場合、クライアントレベルのトラフィック分析はご利用いただけず、そのことを示すバナーが表示されます。
エラーメッセージ/トラブルシューティング
Potential NTP issue detected. Please verify upstream firewall rules.(NTP に問題がある可能性があります。アップストリームのファイアウォールを確認してください。)
- ランニングコンフィグレーション(ntp server {address})で、スイッチに NTP サーバが設定されていることを確認してください。
- NTP サーバーへの疎通性を確認してください。さらなるトラブルシューティングについてはこちらのドキュメントを参照してください。
現在、スイッチの設定ファイル内で使用されているカスタムタイムゾーン名によって、ダッシュボード上でこのエラーを表示する既知の問題があります。この問題は現在調査中であり、できるだけ早く解決される予定です。
スイッチポート
トラフィック量と設定をポートごとに確認することができます。また、設定の概要も表示されます。表示される設定は、参照中のポート上に設定されている項目であることに注意してください。Catalyst スイッチ自体には、ここに表示されていない追加の設定が存在する場合があります。
Port 設定
ダッシュボードのポート設定セクションには、最も一般的な設定オプションが含まれています。ただし、Catalyst スイッチの CLI 内には、ここに反映されない追加の利用可能な設定オプションがあります。該当する設定のセクションがない場合は、機能リクエストを送信することができます。
現在、"switch port mode dynamic auto "で設定されているポートについて既知の問題があります。 この設定はデフォルトであり、ほとんどの場合、ユーザーには表示されません。動的に検出されるトランクポートが、ダッシュボードでアクセスポートとして誤って表示されることがあります。
トランクポートの明示的な設定「switch port mode trunk」をユーザーがインターフェース設定に追加することで、そのポートがトランクポートとして表示されるようになります。
クライアントに関する情報
現在のクライアント(Current clients)
ポートにレイヤー2で接続されたクライアントのVLAN、IPアドレス、MACアドレスの情報が表示されます。ホスト名の自動検出は今後サポート予定です。
ポートで利用できるトラブルシューティングツール
ポートの再起動(Cycle port)
この操作によりスイッチの動作に混乱を招く可能性があります。Catalyst スイッチポートで「shutdown」および「no shutdown」コマンドを順番に適用するのと同じです。これは診断上有用ですが、ネットワークの設計やトポロジーによっては、スパニングツリーの再コンバージェンスなど、ポート上でトラフィックの混乱を引き起こす可能性があることに注意してください。
”ツール”タブでは複数のポートを同時に再起動できます。
アップリンクポートの再起動はダッシュボードとの疎通性が失われる可能性が高いため非推奨です。
パケットカウンター
各ポートのパケット数の統計を確認できます。ここで確認できる情報は、“show interface” IOS CLI コマンドを実施した結果と類似します。
ロケーション
トポロジー
Catalyst スイッチはMeraki ダッシュボード上のトポロジー図に統合されます。現時点ではレイヤー2 トポロジーのみサポートされます。
マップ
地図上のスイッチの位置を確認、変更できます。
ツール
ライブトラブルシューティングツールはここから実施できます。
Ping
スイッチから Ping を送信します。結果が遅延時間を経時的に図で表示できます。
MAC 転送テーブル
レイヤー2 インターフェースで学習したクライアントの MAC アドレスと対応するVLAN、物理ポート番号を表示できます。
スイッチポート
これはMSスイッチと同様の機能です。各ポートの名称は、IOS-XEでのインターフェイスの略称からきています(例:GigabitEthernet1/0/1ならGi1/0/1など)。CLI上の設定に説明が含まれている場合は、これも表示されます。
インターフェースの設定に関する詳しい情報はこちらを参照してください。
スイッチスタック
スイッチスタックの名称が表示されます。名前をクリックするとスタックメンバーを確認できます。
クライアント情報
ネットワーク全体 > クライアントにてクライアントの使用状況等を確認できます。DNS Essentials ライセンスをご利用の場合には一部利用できない情報があることをバナーでお知らせします。
注: Catalyst 9500 シリーズスイッチはハードウェアの制限によるアプリに関する情報をダッシュボードへ送信しません。
DNA Advantage ライセンスを利用しているクラウドモニタリング用スイッチではクライアントレベルのトラフィック分析が可能です。(有効にしている場合)
既知の事象/その他注意事項
クライアント分析の情報が表示されない
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クライアントのトラフィック分析を行うには DNA Advantage ライセンスが必要です。
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Catalyst 9500 シリーズではライセンスにかかわらずクライアント分析を利用できません。
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複数種のライセンスが混在している場合予期せぬ動作になる可能性があります。
合計トラフィック使用量で一部のクライアントが含まれていない
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DNA Essentials ライセンスで利用されているスイッチに接続しているクライアントはこのデータの集計対象外です。
Dynamic auto trunk ポートがアクセスポートとして表示される。
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明示的にトランクポートに設定されていないものの複数の VLAN トラフィックを送信している場合、ダッシュボードではアクセスポートと表示されます。該当のポートで “switchport mode trunk” と明示的にトランクポートに設定することでこの事象は解消できます。
クラウドモニタリングスイッチに接続しているクライアントのホスト名がMAC アドレスになっている
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ホスト名検知機能は現在サポートしておらず今後実装予定です。
PoE の表示
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PoE が利用されているポートでは現時点では稲妻アイコンが表示されません。
Catalyst 9500 スイッチのポート
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すべてのポートが SFP であるスイッチはポートページでは"イーサネットポート"の表示になっています。
IPv6のみを使用しているクライアントは MAC アドレスで認識している場合のみサポートされる
- クラウドモニタリングで使用されているクライアント認識機能( Unique client identifier) では現在 IPv6 をサポートしていないため表示されません。