AI-Powered Auto RF: AI を使用した最適な RF 環境の実現
概要
Merakiの"RFエクセレンス"とは、ワイヤレスネットワーキングテクノロジーが様々な規模や密度の環境において、信頼性が高く且つパフォーマンスの高いワイヤレス接続を提供する能力のことです。 Meraki の AI- によって強化された RRM (Radio Resource Management) による AI-Powered Auto RF はまさにこれを達成するのに役立ちます。
Auto RF とは、利用可能な最適なチャネルの選択や電力レベルの調整など、無線パラメータを自動的に最適化してパフォーマンスを最大化し、干渉を自動的に最小化するソリューションで、その効果は実証済みです。
AI で強化された RRM を導入したことで、Auto RF はこれまで以上にインテリジェントになり、お客様のネットワークの傾向を学習し、特にエンタープライズレベルの展開において、よりパーソナライズされたシームレスなワイヤレス体験を提供します。
このページでは、MerakiのAuto RFのAI機能の包括的なガイドとして、それらがどのようにエンタープライズ規模で卓越したワイヤレスネットワーキングを実現するかを紹介します。
電波設定ページに導入された新しい Auto RF タブは、より効率的で洗練された方法で RF ネットワークの最適化をサポートする多くの Cisco のRRM機能とともに、過去のデータに基づいて意思決定を行うすべてのAI Power Auto RF機能で構成されています。
混雑時間帯
優れたワイヤレスネットワークでは、信頼性の高い接続性が鍵となります。これは、あらゆるビジネスの活動時間帯に不可欠です。混雑時間帯機能は、定義された時間帯に不要なRFの変更を回避し、混雑時間帯後に必要な変更を行います。これにより、チャネルの変更によるクライアントの切断やローミングがなくなります。
混雑時間帯は業種によって特徴があり、遠隔にいるネットワーク管理者から指示するのは難しい場合もあります。Auto RF は、ダッシュボードを活用して、各ネットワークを毎日固有の混雑時間帯に合わせて個別に最適化できるようになりました。
混雑時間帯では、Auto RF は必要な場合にAP無線の送信電力のみを変更し、AutoChannel の計算を最小限に抑えます。ただし、DFSの発生や、妨害チャネルの検知、アクセスポイントの追加、またはダッシュボードからのAutoChannelの更新ボタンが押された場合は例外的に Auto RF が行われます。
以下の画像の通り、混雑時間帯は 2 つの方法で設定できます。
1. 手動 - 活動時間帯を手動で設定
2. 自動- ダッシュボードで混雑時間帯を提案します。過去 6 週間のデータを分析し、混雑している時間帯を自動的に設定します。混雑時間帯は接続しているクライアントの数や、送受信トラフィックの量によって決定されます。
注 : ネットワークのタイムゾーンが正しく設定されていることを事前に確認してください。
AI チャネルプランニング
チャネル・プラン適切に設計することで、高性能な無線ネットワークを運用し、RFネットワークを最大限に活用することができます。これは、AutoChannel リストで利用可能なチャネルを幅広く設定することで実現できます。しかし、これらのチャネルはDFSイベントやジャマーなどの非Wi-Fi干渉の影響を受けるため、ワイヤレス・ネットワークの運用に効果的に使用できるチャネルの数が減少します。AIチャネル・プランニングは、ネットワーク内で個々のアクセスポイント用の回避チャネルリストを維持します。
AI チャネルプランニングでは、基本的に以下の理由などによる影響を最も受けるチャネルを自動的に回避します。
• DFS イベントの頻発
• 非 WiFi 関係の混雑
• AFC低電力レギュレーション(屋外用6GHz AP)
AI チャンネルのプランニングには2つの側面があります。
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DFSまたはジャム・イベントが発生すると、そのチャネルは回避チャネルリストに登録されます。
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チャネルが回避チャネルリストのとどまる時間はその深刻度に応じて異なります
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あるチャネルが回避モードにある場合、そのチャネルの使用を Auto RF 上で回避します。ただし、他のすべてのチャネルが回避モードにある場合はそのチャネルを使用することがあります。
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以下の図のように、チャネル回避に関するインサイトや学習内容については CSV ファイルに出力できます
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回避モードにあるチャネル
深刻度 Severity |
回避期間 Avoid/Mute Period |
6 |
1 日 |
5 |
2 日 |
4 |
4 日 |
3 |
8 日 |
2 |
14 日 |
1 |
30 日 |
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回避期間が 0 日になったあとは・・・
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そのチャネルは”監視モード”となり、30 日間新規の DFS や混雑イベントがないか監視されます
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監視モードにあるチャネルは Auto RF による選択の対象になります
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監視モード中に DFS などのイベントが発生した場合、回避リスト内の深刻度が上昇します
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監視モードのチャネル
深刻度 Severity |
監視期間 Monitor Period |
6 |
1 時間 |
5 |
2 時間 |
4 |
3 時間 |
3 |
4 時間 |
2 |
5 時間 |
1 |
6 時間 |
"詳細をダウンロード”で CSV を出力すると、AIチャンネルプランニングの決定と、回避の開始時間と終了時間を含む影響を受けるチャンネルのリストが確認できます。
よくある質問
1. 混雑時間帯に AP に手動で変更を行った場合はどうなりますか
—> AP のチャネル割り当てに大きな変更がない限り、ネットワーク内のすべての AP は通常どおり動作します。新しい候補チャネルと現在の運用チャネルの間に混雑度などの違いが十分あれば、変更されます。
2. 混雑時間帯に RF プロファイルの変更を行った場合、混雑時間帯後まで待つ必要がありますか
—> 新たも設定を加えても混雑時間帯の基準がリセットされることはありません。
3. 混雑時間帯の自動設定はテンプレートでも動作しますか
—> いいえ、動作しません
4. 1 つのネットワークでデバイスが複数の場所やタイムゾーンにまたがって存在している場合はどうなりますか
—> 1 つのネットワークで混雑時間帯はただ 1 つにのみ設定できるため、利用するためには 1 つのネットワークに同じタイムゾーンに存在するデバイスのみが所属している必要があります。
5. ネットワークの深刻度表を追跡する方法はありますか、またこれは AP 単位ですか
—> 深刻度は AP 毎且つイベントタイプ毎に管理されています
6. チャンネル回避を容易にするために変更できる設定オプションはありますか
—> 特に設定の必要はありません。アルゴリズムにより DFS の発生件数などを関しし、各チャネルごとの深刻度を決定しています
7. チャネル変更が行われた時間を確認することはできますか
—> イベントログで "Auto RF" のイベントタイプで確認できます
8. 混雑時間帯を決定する基準はなんですか - 現在のクライアント数、使用量(事実上、サマリーレポートに表示されるもの)の組み合わせですか?
—>クライアントの接続数や利用量によって決定されます