Dynamic Frequency Selection (DFS) について
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概要
DFSとは、5GHz帯(802.11a/n/ac/h)無線デバイスから発信される電波の干渉を防ぐ必要がある軍事、気象などのレーダー信号を検知し、5GHz帯無線デバイスの動作周波数をレーダーと干渉しないものに動的に切り替える一連の処理を言います。 送信電力制御(TPC)も同様に、法規制や範囲情報に基づいて無線デバイスの送信電力を適応させるために使用されます。認定を受けた無線デバイスは、レーダー通信を待ちながら、必要に応じて無線デバイスの設定を動的に更新し、他のチャンネルを使用する"DFS"機能を備えています。
DFS が動作した際の挙動
DFS対応無線デバイスは、使用中の5Ghz帯周波数にレーダー信号がないか常に監視しています。使用中のチャンネルにレーダー信号が検出された場合、無線デバイスは次の手順を実行します。
1. 使用中チャネルで送波を停止する
2. 802.11hによる チャネル切り替えのアナウンスをブロードキャストする
3. 残りのクライアントデバイスの接続を解除する。
4. 規制ドメイン内で許可された別のチャネルに遷移する
この時 DFS 対象外のチャネル(36~48ch) に切り替わった場合は直ぐにビーコンの発信を再開しクライアントの接続を受け入れます。
DFS 対象の別のチャネルに切り替わった場合、そのチャネルで 60 秒間電波スキャンを行い、レーダーを検知しなかった場合にビーコンの発信を再開し、クライアントの接続を受け入れます。
5. 元々使用していたチャネルでDFS非占有期間に達した後、接続しているクライアントがいない場合、元のチャネルに戻り、60秒間電波をスキャンします。なお、接続しているクライアントが存在する間は元にチャネルに戻りません。新しいチャネルにレーダー信号が検知されなかった場合、無線デバイスはビーコンを有効にし、クライアントの接続受け入れます。非占有期間は規制ドメインによって定義されていますが、多くの場合、30分です。
Meraki クラウド は適切な規制ドメイン情報を各 アクセスポイントに設定しています。 特定のアクセスポイントで利用できるバンドとチャンネルはモデル、屋内/屋外の動作、規制ドメインに依存します。Meraki クラウド は無線規制を徹底するため、電波設定ページで表示されるチャンネルリストはアクセスポイントが使用することを許可されたチャンネルを表示します。
より具体的な認証とバンド情報については、AP のパッケージに含まれるインストールガイドと規制情報パンフレットを参照してください。
DFS イベントの通知
DFS イベントが発生した場合、ダッシュボード上のイベントログに記録されます。以下はチャネル52 で DFS イベント発生した際のイベントログの表示例です。
イベントログ以外にも、アクセスポイントのステータスページにも DFS/レーダーイベントが発生したことが表示されます。そのAP に対して最もヒットしているチャンネルが表示されます。以下は、 AP ステータス・ページで DFS/レーダーイベンとが発生した際のスクリーンショットです。
ネットワークアラートハブではこれらのDFS/Radarイベントを1つのリストにまとめ、ネットワーク全体をより包括的に見ることができるようになっています。
Insightsタイルを展開すると、APごとで検出されたDFS/Radarイベントの詳細情報が表示されます。
新しい MRアクセスポイント(WiFi-6など)では、古い世代(WiFi-5 Wave 2など)と比べてDFS感度が高く、検出されるDFSイベントの数が多くなる可能性があります。
DFSが発生しやすい地域
アクセスポイントに発生するDFSイベントの数は、一般的に物理的な場所に関連しています。 DFS イベントは、水路や空港の近くで最も多く発生しますが、どこでも発生する可能性があります。DFSイベントが多発した場合、無線ネットワークが確実に動作するようにするには、手動で非DFSチャネルを選択するか、自動チャネル割り当てからDFSチャネルを除外する2つの方法があります。 DFS チャンネルの選択と計画に関するより詳しい情報は、Meraki Auto RF: Wi-Fi Channel and Power Management をご確認ください。