Skip to main content

 

Cisco Meraki Documentation

低電力モード

このドキュメントは原文を 2024年08月14日付けで翻訳したものです。

最新の情報は原文をご確認ください。

概要

Cisco Meraki アクセスポイント(AP)を異なるPoE スイッチモデルに接続する際、電力が不足するシナリオに遭遇することがあります。これは低電力モードと呼ばれます。
一部のMeraki MRアクセスポイントは、すべての機能を提供するためにPoE+やPoE++の電力レベルを必要とします。しかし、一部のスイッチやPoEインジェクタはこれらの電力レベルを供給または交渉(ネゴシエーション)できない場合があります。MRがPoE+(802.3at)未満の電力を受け取っている場合、「低電力モードで動作中」と表示されます。同じ状況は、MRがPoE++(802.3bt)の電力レベルを必要とするが、スイッチや電力インジェクタがより高い電力レベルを供給または交渉できない場合にも発生する可能性があります。

注: MR45, MR46, MR46E, MR55, MR56, MR76, MR86, および Catalyst CW916x は正常動作のために 802.3at (PoE+)による給電が必要で低電力モード時の動作は保証されません。

WiFi6 対応のアクセスポイントのうち MR44 のみ低電力モードによる動作をサポートしております。詳細はMR44 datasheet を 参照してください。

PoE 標準

業界標準 IEEE 標準 説明
PoE 802.3af オリジナルの PoE 規格で 15.4W まで給電が可能です。レガシー PoE とも言われます。
PoE+ 802.3at 30W までの給電が可能な規格です。15.4W 以上の給電を行うには LLDP が動作している必要があります。
PoE++ 802.bt 現時点で最新の標準規格で 100W までの給電が可能です。30W 以上の給電を行うには LLDP が動作している必要があります。

一般的なベストプラクティスとして、AP およびスイッチの展開を計画、実装する際には以下の 2 つのアクションを実施することが推奨されます。

  1.  AP およびスイッチのデータシートを参照し、両者が同じあるいは互換性のある規格に対応していることを確認する
  2. AP が接続されているスイッチのイーサネットポートで CDP と LLDP の両方を有効にすること、これにより最善の互換性、電力管理が担保されます。

低電力モードとなる事例

  1. Cisco Meraki スイッチ (MS)ではデフォルトで CDP と LLDP が有効になっています(Meraki AP も同様)。MR と MS を接続している場合には電力供給についてほとんど問題にはなりませんが、MS で供給可能な余剰電力が十分でない場合にはAP が低電力モードで動作する場合があります。
  2. 他社製スイッチ (例: HP ProCurve switches)に接続している場合、AP は 起動時に MDI 検知と LLDP を使用してPoE の電力レベルを交渉します。
    • AP が PoE+ に対応しているが接続先のスイッチで LLDP が無効になっているか、レガシーPoE にのみ対応している場合、AP は低電力モードで動作する場合があります。
    • PoE++ も 同様に、接続先のスイッチで LLDP が無効になっているか、PoE+ まで対応している場合には PoE+ にフォールバックし、ダッシュボード上のアラートには"低電力モードで動作中" と表示される場合があります。
  3. Cisco スイッチ(例: Catalyst)に接続する場合、 AP は CDP と LLDP の両方を使用して PoE/PoE+ の電力レベルを要求します。PoE+の場合、ネゴシエーションにはCDP が優先的に使用されますが、PoE+ の規格に従い、LLDP も使用されます。CDP フレームが送信される間隔の都合等により、CDP 単体では PoE+ のネゴシエーションが行えない場合があります。また、PoE++ で動作させるためには接続先のスイッチポートは CDP と LLDP の両方を有効にしている必要があります。

MR24.5 以降ではMR アクセスポイントは起動時に CDP やLLDP(あるいは両方) を利用してPoE+ の電力レベルを要求しますが、PoE++ での動作が必要な場合には CDP と LLDP の両方を必ず使用します。

Meraki スイッチはデフォルトで CDP と LLDP の両方が有効になっていますが、ほとんどの Catalyst スイッチでは CDP のみがデフォルトでは有効になっており、LLDP は有効になっていないことで AP が低電力モードで動作する場合があります。Cisco switchesにてこれについて解説しています。

低電力モードで動作することによる影響

低電力モードで動作中は Air Marshal 用の無線や2.4Ghz 帯の一部が無効になりますが、低電力モードで動作中でも 802.11ac によるクライアント接続は可能です。

低電力モード注の動作はモデルによって異なっていることがあるため必要に応じてそれぞれの installation guides を参照してください。

専用のスキャン用無線を持つモデル(例えばMR18/32/34/42/52/53/84)は、channel_scan イベントを生成しません。これらのモデルは、隣接するアクセスポイントとチャネル利用率のレポートを継続的に得るためにスキャン用無線を利用しています。
これに対して、専用のスキャン用無線を持たないモデル(例えばMR12/16/20/24/70)は、クライアントが接続されていないときに2時間ごとに全スペクトラムをスキャンします。低電力モードが有効になると、スキャン用無線機能が無効になります。そのため、channel_scanイベントが発生しないだけでなく、AutoRF チャネル割り当てにも悪影響を受ける可能性があります。

各モデルごとの専用のスキャン用無線の有無については MR Family Datasheets を参照してください。

トラブルシューティング

デバイスが低電力モードで動作している場合、対向のポートや電源が 802.3at の規格をサポートしており、十分な給電が可能であることを確認してください。AP が低電力モードで動作していることは、各 AP の詳細ページの "電源" の項目で確認できます。
2017-07-26 09_16_09-Access Points - Meraki Dashboard.png

 Cisco switches および HP ProCurve switches に接続中に低電力モードで動作する場合はそれぞれのリンク先のドキュメントを参照してください。

 

  • Was this article helpful?