MRアクセスポイントを使用したサイトサーベイ
こちらのドキュメントは原文を 2022 年 12 月 1 日付けで翻訳したものです。
最新の情報は上記原文をご参照ください。
無線インフラストラクチャ導入前・後の無線環境を把握するためには、サイトサーベイを実施してその結果に基づいて設定変更を行うことが強く推奨されます。この記事では、MRアクセスポイントを導入してサイトサーベイを実施する際に役立つツールやベストプラクティスに関して概説します。
サイトサーベイモード
Cisco Meraki アクセスポイントでは、クラウドコントローラーへのアクティブなインターネット接続を必要とせずに、サイトサーベイ専用のSSIDをブロードキャストする設定ができます。 クライアントはそのSSIDへ接続し、パッシブまたはアクティブサイトサーベイを実行できます。MRがサイトサーベイモードになると、本体のLEDステータスは緑色点滅になります。
注: 現在、サイトサーベイモードは 2.4GHz 帯および 5GHz 帯でのみサポートされております。6GHz 帯のサイトサーベイには対応していません。
注: Cisco Meraki AP(MR)で 5GHz をサイトサーベイで使用するためには、サーベイモードを有効にする前に MR をダッシュボードに最大 2 時間接続して設置された地域の法規制を遵守した設定を保存する必要があります(安全な設定)。最大2時間の接続が維持されなかった場合、MR はダッシュボードから取得しした設定を”安全でない"と判断し、APをサーベイモードにしても、5GHz無線は有効になりません。
サーベイSSIDの設定
MRアクセスポイントでサイトサーベイモードを有効にするは以下の手順を実施します。
- APが少なくとも一度はCisco Meraki Cloud コントローラにチェックインし、オンラインになっていることを確認してください。ダッシュボード上でAPのステータスが緑色になっているはずです。
- APがブロードキャストしている任意のSSIDに接続し、Webブラウザからのap.meraki.comを開き、APのローカルステータスページにアクセスします。
注: APがネットワークへ有線接続されていない場合、ローカルステータスページへアクセスするために、AP は"meraki-scanning" のようなSSIDをブロードキャストします。
- ローカルステータスページにて、Configureタブを選択します。
- Site modeをEnableに設定すると、サイトサーベイモードがオンになります。
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オプション: サイトサーベイSSIDを有効にした後、サーベイSSIDのチャネルと信号強度(dBM)を周波数帯ごとに手動で設定できます。
注: APがネットワークに追加されたときにのみ、サイトサーベイSSIDがブロードキャストされます。APが追加されていない場合は、2.4GHz 帯のSSID のみをブロードキャストします。
サーベイ SSID の使用
APをサイトサーベイモードに設定したら、下図のような「site_survey-<Mac address of the AP>」というオープンSSIDをブロードキャストします。
なお、サイトサーベイモード中のAPは、いずれの無線クライアントからの接続要求を受け付けず、サーベイ目的でのみ使用することができます。これでサイトサーベイが必要な場所でアクセスポイントを使用する準備完了です。APにはPoEインジェクターまたはPoEスイッチを使用して電源の供給を行い、インターネットへの有線接続は必要ありません。
APからブロードキャストされるサイトサーベイSSIDは、プロフェッショナルなサイトサーベイツールを使用して、アクティブ/パッシブ サイトサーベイを実施するために使用できるようになりました。
例:
これらのツールはCisco Meraki アクセスポイントのカバレッジパターンを内蔵しており、予測調査の機能も利用できます。
20Mhz以外のチャネル幅の使用
MRアクセスポイントのサイトサーベイモードにおけるチャネル幅はデフォルトで20Mhzです。これは通常、高密度導入時にも使用されるチャネル幅です。このチャネル幅はサーベイのために変更が可能ですが、サーベイモードに設定する前に、APをインターネットに接続し、Mrakiダッシュボード上から設定変更する必要があります。RFプロファイルより、新しいプロファイル(例: Surveyor)を作成し、APに適用します。
ワイヤレス > 電波設定 > RFプロファイル で新しいプロファイルの作成し、5GHzにて手動でチャネル幅を設定します。チャネル幅は40MHzまたは80MHzから選択します。
プロファイルが作成できたら、APに適用します。
「チャネル幅上書きを消去」にチェックが入っていることを確認してください。
アクセスポイントの設定が更新されたことをダッシュボードで確認してください。 (反映までに30分ほどかかります)
これでAPを(ローカルステータスページから)サイトサーベイモードに設定すると 、5GHzで指定したチャネル幅が表示されます。
サイトサーベイのベストプラクティス
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顧客のインフラ環境で使用するAPと同じモデルを使用して、サイトサーベイをサーベイ実施する必要があります。
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RF信号に対して大きな減衰の可能性があるため、APを金属の近くやコンクリートの壁に設置していないことを確認してくだい。
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サーベイ実施場所の設計図を手元に用意し、サーベイ中に信号の読み取り値、データレート及び干渉源を記録してください。
- 様々な無線機能を持つクライアントが急増する中、無線ネットワークの運用開始後に、すべてのクライアントで一貫した無線体験を確保するために、「最悪な」クライアントを調査することが重要です。
追加のサーベイオプションと検討事項
AP の 無線伝搬 に影響を与え、クライアントのパフォーマンスやローミング動作に影響を及ぼす要因が多く存在する場合、最適なカバレッジとパフォーマンスを実現するために、オンサイトでのサイトサーベイを実施することは常に推奨とされます。サイトサーベイツールを利用できない場合でも、アクセスポイントのローカルステータスページで提供される統計情報を活用できます。管理者は、サーベイSSID に接続しているクライアントのSNR(信号対雑音比)を確認できます。信号強度を-67dBm前後、SNRを 25dB 以上となる音声通話に適したネットワークを設計するのが標準的なアプローチです。これは一般的に通常のデータクライアントにとって十分な値で、VoIPインフラを後から導入することも可能となります。
ローカルステータスページでは、現在のチャネルの使用率に関する情報も確認可能です。また、Wifiと非Wifi(干渉)の両方がそれぞれのチャネルに存在する割合や、APで検出した他の全てのSSID(Merakiおよび非Meraki) を一覧で確認できます(Neighborsタブ内)。これらの統計情報はアクセスポイントによって提供されるカバレッジと、使用するチャネルに存在する可能性のある干渉要因を推定するのに役立ちます。
次の記事では、完全なサイトサーベイの方法および詳細が記載されており、追加のガイドラインとして推奨します。